ついに発見!2人の魔法医

「魔法医」Witch doctorをご存知ですか?
日本でも、昔々、加持祈祷でも病気を治していたことが有りますが、アフリカでは今もその文化が根強く残っています。

往診はサファリの風にのって

魔法医を知るのにお薦めの書。50年代から60年代にかけてのアフリカで、旅する女医として原住民の治療にあたり活躍した「ママ・ドクター」が出会った様々なエピソードや原住民の子供達との交流などを綴った本。特にキファファ(てんかん)に関する話(悪霊のたたりと考えられている)は興味深い。

日本のみならず、西洋諸国でも魔女狩りがあったり、と歴史の裏面で暗躍してきたことが伺えます。

そんな魔法医を探して、タクシードライバーに車を走らせてもらいました。

タクシードライバーが知っているという魔法医は、エンテベとカンパラのちょうど中間辺りの村にいるとのことで、ぬかるみやら舗装されていないでこぼこの山道を駆け上がってもらい、ようやくたどり着いたのは高台にある少し高級そうなおうち(診療所・治療院)でした。

治療(カウンセリング)部屋とは別の建物が、待合室になっているようで、4〜5人の地元民が悲壮な面持ちで座って自分の順番を待っていました。

ドライバーが魔法医のスタッフに話をつけてくれ、先に案内してもらえることになりました。

藁葺き屋根など伝統的な形式の建物でしたが、本で見たよりも洗練され、頑丈な作りでした。

部屋の奥は小さいステージの様に10センチほど高くなっていて、魔法医とおぼしき青年がこちらを向いてあぐらをかいて座っていました。

彼の手元にはスマートフォンが2台見えました。
洗練された流暢なクイーンズイングリッシュで、魔法医について説明してくれました。
年齢は20代後半〜30代前半くらい、肌つやも体格もいい青年。

おどろおどろしいイメージとはかけ離れた、むしろ高学歴の好青年と言った印象に驚きました。

魔法医になるにはどうすれば良いか尋ねると、学んだり、修行をしたりするのではなく、自然にその力が備わるのだそうです。(とはいっても、家系的な要素も関連が深い様で、代々魔法医の家系から魔法医が誕生する様子)この魔法医は7歳の時にその力が備わったそうです。

アフリカの伝統医療と日本の伝統医療(東洋医学)の情報交換をしませんか?と申し出ると、快諾してくれ、次回訪問の際は彼の治療院で私も施術をしていいとのこと。お互いにその治療を見せ合い、学び合おうと言う約束をし、その場を去りました。

後日、何となく気になってFacebookで検索してみたら彼のIDが見つかりました。
友達申請をして、メッセージ交換をしたらやはりその魔法医で、どうやらイギリスの大学を卒業したようです。

別のタクシードライバーの紹介でもう一人の魔法医に会えることになりました。

魔法医

魔法医は、名前の通り魔法をかけたり解いたりして、魔法に関する病を扱う医者です。
魔法にはレベル(強度)があるそうで、それを使い分けするそうです。

例えば、貸したお金を返してくれないとか、浮気をして帰ってこない亭主とか、そういった人に魔法をかけてもらいに「患者(クライアント?)」が相談に行くそうです。体の中を虫が走るような呪いをかけて、かけられた人が自分の魔法医のところに行って相談するとお金を返さないからだと説明を受け、お金を返して呪いを解いて貰うのだそうです。
ウガンダは一夫多妻なので、夫が自分のところに来て欲しいという女性も、そのようにしむける呪いをかけてもらいます。
そこで理不尽な依頼には、魔法医は応じないそうで、クライアント本人をを諭したり治療することも有るそうです。
魔法医になったら、教会や学校に行くことは禁じられ、牛乳と魚は食してはいけないそうです。
この魔法医は14歳の時にその力が備わったそうで、それ以降学校に行っていないため、英語が話せません。
女性との関係は週に5日までと決められているそうです。

魔法医には自分がなりたいと思ってなれるものでも、誰かからならせてもらえるものでもないそうです。

ウガンダの医療機関では、薬草を含む魔法医は完全に禁止なのですが、患者はこっそり薬草を使ったり魔法医の診察を並行して受けていることがかなりおおいようです。

ちなみに、ウガンダの大統領も誰かは明かしませんがお抱えの魔法医がいるそうです。

診察費は様々で決まった価格はないそうです。

ただ、テレビやラジオで宣伝している魔法医は殆どがナンチャッテで、本物は結果が出てからそのお礼に相応の費用を支払うのだそうです。

次回訪問するときは、この魔法医の診察(魔法)を見せてもらう約束をしました。

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